山歩きの用心棒 of grandpath

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山と街での歩き方の違い

山での歩き方は普段の歩き方とは違います

IMG_3451.JPGウォーキングと登山
普段の歩き方と登山での歩き方には違いがあります。
一般的な歩き方は、肩幅程度の歩幅で足を踏み出し、後ろ足のつま先で地面を蹴り前に進みます。
一方、登山では、つま先で地面をけるのはご法度です。その行為自体がスリップの原因となります。登山の場合は、足首があまり曲がらない程度の歩幅でなるべく足裏全体が地面に接するように前に下ろします。次にその足を踏ん張って体を引き上げるような感じで少しづつ前に移動していくのです。必然的に歩幅は小さくなります。

登山靴のソール(靴底)が硬い理由

山では硬いソール(靴底)ほど安定します

IMG_3451.JPG凸凹ウォークで威力を発揮
凹凸のある山道の歩行は、ソール(靴底)の柔らかい靴では非常に疲れます。それは、常に足裏に力が入り、不安定さを補うために全身でバランスを取らなければいけないからです。登山靴のソールの硬さは凹凸ある地面でもバランス良く立てるようにサポートしてくれます。試しに小石を3個置いてその上に立って見て下さい。違いがわかります。

足首までの高いカットがある理由

足首がグニャグニャすると疲れます

IMG_3451.JPGカットの高さはせめてくるぶしまでは欲しい
足首は前後には曲がりますが左右には曲がりません。凹凸の地面では常に前後左右に傾く体のバランスを取ることが強いられます。登山ともなると歩数は数千歩、数万歩、そのすべての一歩にまで気を配るのはなかなか至難の業です。注意はしているものの、ちょっとした油断で踏み出した一歩、その時にくるぶしまでの高いカットが助けてくれます。

登山靴の種類

山には尾根あり、谷あり、岩場あり、さまざま・・・

IMG_3451.JPGフィールドと季節に応じて使い分け
山にはいろんな顔があります。
整備された遊歩道から垂直の岩壁まで、花咲き乱れる初夏の山から雪と氷の冬山まで多種多彩です。それに合わせて、無積雪期の整備された登山道ならば軽登山靴、がっつり長期テント山行ならば重登山靴、アイゼン装着の積雪期山行ならば冬用登山靴といったように登山靴の種類も様々です。
その他、岩稜歩きに適したクレッターシューズや沢歩きに適したフェルトソールの靴、クライミングに適したフリクション(摩擦)の効いた靴など特殊な登山靴もあります。

登山靴の選び方

自分の楽しみたい山歩きスタイルを想像して下さい

IMG_3451.JPG山行スタイルと背負う重さと歩く距離(時間)を考えて
入門クラス(軽量・5~7㎏程度の荷物 or 整備された山道 or 日帰り山行 )
➔ ミドルカットモデルでソールの硬さはつま先が少し曲がる軽登山靴
初・中級クラス(中量・10㎏前後の荷物 or 急坂がある山道 or 連泊山行)
➔ ハイカットモデルでソールの硬さはつま先が曲がりにくい登山靴
これは、あくまでも目安です。登山靴を選ぶ際には、極端な重登山靴を除くある程度しっかりしたクラスのものが望ましいでしょう。
上級クラスの方は、山行形態・場所・季節によって大きく変わります。個別にご相談下さい。

ソールの硬さのチェックポイントはねじれと曲がり

  • 靴のつま先部分とかかと部分を持ちねじってみて下さい。あまりねじれない靴を選んで下さい。簡単にねじれる柔らかい靴は山歩きには適しません。
  • つま先部分を持ち、押し曲げてみて下さい。簡単に曲がる靴はひとまず却下です。曲がりの硬さチェックは試し履きの際に踵をあげ、つま先立ちをしてみて下さい。背負う荷物が重くなるほど、歩く距離(時間)が長くなるほど、曲がりにくい硬くしっかりとした登山靴がお薦めです。

カットの高さのチェック

  • 靴ひもを上まで結んで、軽く一歩踏み出し、踵が持ち上がらないように膝を前へ押し出してみて下さい。初めての方は、足首前部のあたりが気にならない靴がいいでしょう。
  • 段差のあるところでつま先から片足を下してみて下さい。初めての方は、アキレス健周辺に違和感があまりない靴がいいでしょう。

サイズの合わせ方

指一本大きめの靴、間違いではないけれど・・・

IMG_3451.JPGやっぱり重要なのはフィット感
登山靴を選ぶ際には、指一本入る大きさを選べとよく言われます。それは、登山では厚手のソックスを履き、おまけに長時間歩行で足がむくむので普段の靴より大きめのものを選べということです。
そこで、問題になるのが正しく測れているかということです。正直なところ、指一本手法では目安にはなりますが少しアバウトです。結果、やや大きめの靴を選んでしまうことになります。大き過ぎる靴は、登りでは踵が浮いて靴ずれの原因に、下りではホールドが緩くつま先が前につんでしまい指先を痛める原因になります。
登山靴は大きければいいという訳ではありません。やはり、適度な余裕もフィット感があってのものです。

自分の足の形と実寸を知る

  • 足の踵からつま先までの実寸を測って下さい。人によって、親指・人差し指・中指など一番長い指は違います。
  • 親指以外の指が長い方は、つま先を傷めやすいので後述するフィット感をよく確かめて下さい。
  • 普段の靴は、実寸より0.5~1cm程度大きめの靴、登山靴では、1~2cm程度大きめの靴が一つの目安です。

中敷きに足を載せる

  • 選んだ靴の中敷きを取り出し、踵部分を合わせて足を載せてみて下さい。つま先部分の余裕が1~2cm程度が適切なサイズです。
  • 親指と小指の付け根部分が中敷きから大きく(0.5cm以上)はみ出している場合は、1サイズ上を試して下さい。
  • 自分の土踏まずと中敷きの土踏まずが大きくずれていないか確認して下さい。

フィット感の確認

  • 登山用のソックスを履き、選んだ靴に足を入れてみます。靴紐を緩めたまま、足をつま先まで押し込んで踵部分に指一本程度の隙間があるか確認して下さい。
  • 踵を戻して、足裏全体を地面につけて靴紐を結んで下さい。つま先を持ちあげ踵だけをつけた状態で靴紐を結ぶと、足裏が中敷きから離れてフィット感が損なわれます。
  • 歩いてみて下さい。チェックポイントは、
    • つま先部分に指が曲げられる程度の余裕があるか?
    • 踵が浮く感じがないか?
    • 土踏まず部分のホールドが緩くはないか?
    • 体重をかけてつま先立ちをして親指と小指の付け根付近に痛みはないか?

山歩きもできる靴と登山専用靴

山歩きをするなら、やっぱり登山専用靴

IMG_3451.JPG昔は重い皮靴、今は軽快な布靴も
山歩きもできる靴と登山専用靴は基本的な作りが違います。やっぱり、登山をするなら登山専用靴をおすすめします。
正直なところ、登山専用靴は普段履きには適しません。というか、歩きづらく足を痛める原因にもなります。その分、山歩きに必要な機能をすべて備えています。
一方、山歩きもできる靴というのは普段履きでもあまり抵抗なく歩けます。そのかわり、山では少々不安定で疲れやすいです。それは、前述したように山と街では歩き方が違うからです。
店の人間としては、登山専用靴を履いてどんどん山にのめり込んでもらいたいと思いますが、今では山歩きもカジュアル化してきています。当然、登山靴もカッコいい方がいいでしょう。まずは、デザインで選んでそれから機能を確認してもいいんじゃないでしょうか。
お気に入りの靴を履いて、どんどん山へ行って下さい。

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山と街の外気温の違い

山は思っている以上に寒い

IMGP0243.JPG山と下界では外気温が違います
標高が100m上がるごとに外気温は0.6℃下がります。ということは、30℃を越す真夏日でも標高1000m前後の阿讃山脈(香川県と徳島県の県境)では6℃下がって24℃、標高3776mの富士山では20℃以上下がって10℃以下の冬日ということになります。もちろん、天候によっては暖かく感じることもありますが、実際は下界とはかなりの気温差があります。さらに、風があると風速1mにつき体感は1℃下がると言われています。例えば、富士山などの風が出やすい独立峰は、真夏でも山頂は真冬日になる場合があるということを知っておいて下さい。

山で身体が濡れたままだと・・・

体が濡れると疲労しやすく、判断力が低下する

IMGP0243.JPG油断大敵!低体温症
山は街よりも外気温が低いので、少しの雨、風でも気がつかないうちに身体はダメージを受けます。例えば、冬、風呂上がりに汗をかいた体を拭かずに外に出たと想像してみて下さい。一気に身体が冷えてとても長時間は我慢できないでしょう。
では、体が冷えるとどうなるか。低体温症という症状を聞いたことがある方も多いと思います。近年では、夏山でも低体温症による事故が少なからず起きています。
低体温症の初期症状は、まず震えが始まります。やがて、疲れやすく、体の動きが散漫になります。そして、最も怖いのが判断力の低下です。結果、道迷いや転倒による怪我がもとで山の中で一夜を明かす羽目に・・・。
交通事故と同じで通常は意識すらしていないことがほとんどでしょう。けれど、ちょっとした油断で小さなほころびが次第に大きくなっていくのが山の遭難事故です。
濡れた身体でも耐水性の雨具を羽織ると、濡れた状態の5倍の断熱性を得る事ができます。山歩きでは天候に関わらず、雨具は万一に備えた必携装備と言えます。
低体温症につては、アンダーウェアのコーナーで詳しく記します。

一般の雨具と登山用の雨具

登山用の雨具は高価だけど非常に優秀

IMGP0243.JPG防水性と防風性だけではダメ
山歩きはすべてが人力です。動けば汗もかきます。夏場の雨降り山行では、雨具を着てムレムレになるぐらいなら濡れた方がましとばかりにびしょ濡れの登山者をよく見かけます。前述したように、山で身体を濡らしたままにするのは危険です。
ならば、防水性(水の侵入を止める性能)と透湿性(汗を逃がす性能)といった相反する機能を合わせ持つ雨具があれば・・・、それを可能な限り追求したのが登山用の雨具です。
その代表格がゴアテックスです。ゴアテックスは微多孔性と呼ばれる素材です。ミクロ単位の無数の穴があいており、その穴が雨粒よりも小さく、汗の蒸気よりも大きいということでしょうか。すなわち、雨の侵入は止めるが、蒸れた汗をある程度逃がしてくれるということです。ある意味、魔法のウェアです。
ただ、単なる雨具と考えるとたいへん高価です。しかし、様々な防水透湿性を謳う他の素材に比べ、その快適性はやはり優れています。
素材別の価格の差は、透湿性能によるところが大きいようです。長く山歩きを続けたいと思う方には、やはりゴアテックス素材の雨具をおすすめします。
各製品には、耐水性や透湿性の専門的な数値が記されていますが、正直ピンときません。ゴアテックスに関する記述は、あくまでも個人的な体感上の見解であるということをご承知下さい。

登山用の雨具の選び方

やっぱり、登山専門メーカーのものが安心

IMGP0243.JPG価格的には最低\20,000前後
やっぱり、選ぶなら登山専門メーカーが作る製品が安心です。各メーカーが様々なこだわりで製品を作っていますが、最低限必要な機能は備えていると考えて間違いありません。価格的には、最低でも\20,000前後のものを選んでほしいと思います。下記に簡単なチェックポイントを記しておきます。

素材

防水透湿素材に限ります。各メーカーが様々な素材を出しています。店のスタッフに違いを尋ねて納得いくものをお選びください。納得いかなければ、ゴアテックス素材が安心でしょう。ゴアテックス素材にも種類がありますので、各々の特性を確認し用途に合わせた製品をお選びください。

目止めの有無の確認

雨具と言えどもウェアです。縫い目がたくさんあります。縫い目には、針穴が開いているので、そのままだと山での長時間の雨には耐えてくれません。目止めとは、シームテープと呼ばれる9~11mm幅の薄いテープでその針穴を塞ぐ処理のことです。製品を裏返して全ての縫い目にその処理がしてあることを確認して下さい。
また、フロント部分は止水ジッパー仕様か防水ジッパー仕様か、それとも二重フラップになっているかも防水性に関わってきますので要チェックです。

フィット感

意外と軽視されがちですが結構重要です。いかに優れた防水透湿素材でも身体に合っていないサイズではその性能が発揮されません。あまり大きすぎると透湿性が落ちるし、逆に小さすぎると密着しすぎて透湿性がなくなります。
さらに、動きやすさもチェックして下さい。登山専門メーカーは、いろいろな知恵を絞って動きやすさを追求しています。立体裁断と呼ばれるものです。とはいえ、すべての人にフィットする訳ではありません。必ず、試着してみて下さい。特に、パンツは面倒くさがらずに試着することをおすすめします。

ゴアテックスの使い方、間違っていませんか?

素材の特性を知り、用途に応じて使わなければ宝の持ち腐れ

IMGP0243.JPGゴアテックスといえども蒸れます
透湿性があるといっても全く蒸れない訳ではありません。単なる防水性だけの雨具に比べて蒸れにくいということです。しかし、この差が山ではたいへん重要なのです。
山頂で雨も上がり、暑くなったから雨具を脱ぐといった光景をよく見かけます。これでは、せっかくのゴアテックス素材が台無しです。
山は日差しが強くても外気温は低いのです。雨や汗で濡れた身体を冷たい空気に晒すと一気に熱が放出され体温を下げることになります。汗をかいて一服している時こそ、防水透湿素材がその特性を発揮するときです。雨具の表面からうっすらと蒸気が昇っているのを見たことはありませんか?これは、外気をシャットアウトしながらも衣中の湿気を放出しているということです。
暑いからと言ってすぐに雨具を脱がないで下さい。胸元を開けるなどして徐々に湿気と熱を逃がして下さい。特に、春秋シーズンは思っているよりも山の気温は低いのです。5分も我慢をすればちょうどいい感じになるはずです。

雨具のメンテナンス

山行ごとに洗濯機で洗うのはちょっと・・・

IMGP0243.JPGゴアテックスの雨具は結構デリケートです
雨の山行では雨具はどろどろになってしまいます。その都度、洗濯機で洗いたくなる気持ちもわかります。しかし、ゴアテックスは結構デリーケートな素材です。ゴアテックスは非常に薄いフィルムがラミネートされた素材です。洗濯機で何度も洗うとフィルムが破れてしまう場合もあります。できれば、表面の土汚れは手洗いをしてやって下さい。
表面の汚れよりも重要なメンテナンスは内側に付着した人間の汗と脂です。ゴアテックスのような微多孔質素材の目を詰まらせてしまうとせっかくの透湿性が落ちてしまいます。手入れとしては、面倒くさいですが、少量の中性洗剤を溶かしたぬるま湯で丁寧に拭き取るのがベストです。表面があまり汚れていない場合はこれだけでも十分、製品が長持ちします。
最後に表面を専用の撥水スプレーで撥水加工してやって下さい。雨具表面に水膜ができると透湿性も落ちます。さらに身体に貼りつきやすくなり、適度な断熱層が確保されにくくなります。
せっかく高いお金で購入した製品です。手入れをして長く使ってほしいと思います。

おすすめ透湿素材専用メンテナンス用品】

Granger's/グランジャー(英国製)LinkIconGranger's Official Site(使用方法を確認して下さい)


NIKWAX/ニクワックス(英国製)LinkIconNIKWAX Official Site(使用方法を確認して下さい)

ゴアテックス素材の種類

最優先は防水?透湿?軽量?用途・目的を考えて

IMGP0243.JPGゴアテックス素材は多種多彩です
ゴアテックス素材を細かく、正確に、わかりやすく説明するのはなかなか大変です。申し訳ありませんが、GORE-TEX社のホームページをご覧ください。
LinkIconGORE-TEX Official Site

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低体温症

低体温症の原因と予防

SCC_0862.JPGいったん低体温症にかかると急速に悪化します
レインウェアのコーナーでも触れましたが、低体温症についてもう少し詳しく記します。
身体の核温度(表面ではなく内部の温度)が下がり、筋肉や脳の活動に異常が起こる状態を低体温症と言います。
一般に人間の正常体温は36~37℃です。それが34~35℃に下がれば筋肉の運動に支障をきたし、それ以下になると脳機能に異常をきたします。そして、25.5~28℃ぐらいになると、心臓が有効に働かなくなり最悪の結果を招いてしまいます。
低体温症が原因で何らかのアクシデント見舞われ、行動不能におちいる場合もあれば、その逆で、道迷い等のアクシデントにより行動不能になり、結果低体温症にかかる場合もあります。いずれにしても、山歩きをするうえで最も注意・意識してほしいのがこの低体温症です。

低体温症の原因(身体から熱が放出されるしくみ)

  • 低温環境下(皮膚温が外気温が皮膚温より低い時)では、皮膚に接した冷たい空気は体温で温められ(この時、皮膚から熱を奪います)対流して冷たい空気と入れ替わります。そして、また入れ替わった冷たい空気が皮膚から熱を奪うというサイクルが繰り返されます。この時、風があると熱の放出はさらに促進されます。
  • 雨や汗で身体が濡れている状態では、水分が皮膚から蒸発する際にかなりの熱が奪われます。これは、水の蒸発熱が大きいからです。同様に、吸入された空気が体温で温められ、同温の水蒸気とともに吐き出される際にも放熱が起こります。山歩きなどの運動では、発汗および呼吸による放熱はさらに増加します。

低体温症の予防

  • 前述した身体の放熱のしくみから、低体温症となる最も注意すべき要因は、濡れ(湿潤)・寒さ(寒冷)・風の3つです。
  • ある実験によると、服が濡れた状態では、乾いている状態に比べて10分の1の断熱性しかありません。しかし、濡れた衣服の上に耐水性の雨具を着ると乾いている状態の2分の1の断熱性にまで回復します。
  • すなわち、外気温が低く、常に発汗をともなう山歩きでは、衣服を乾いた状態に保ち、外気から身を守ることが低体温症にかからないための最大の予防となります。

生地のもとは糸、その糸のはなし

糸素材によって特性が違います

SCC_0862.JPG山歩きアンダーウェア素材の主流は化学繊維とウール
ウェアといっても素材は様々です。ご存じのように布生地は縦糸と横糸が交互に編まれて作られたものです。そして、糸は繊維をよじり合わせて作られたものです。繊維は大別すると、綿などの天然繊維とナイロンなどの合成繊維があります。この繊維素材によって生地の特性が大きく変わってきます。

代表的な生地の特性

綿(コットン)最も一般的な生地です。吸水性に優れ、編み方によって防火性もあります。しかし、保水性があり乾きが遅いです。外気温が高い季節には残された水分が程よく強い日差しを遮ってくれるので快適です。また、厚手のジャケットは焚火にもいいですね。
毛(ウール)ご存じのとおり保温性が高い生地です。それは、繊維自体に空気を蓄えているので断熱層がたくさんできるからです。反面、吸湿性がよいため、湿りやすく乾きにくい面もあります。ただ、濡れても保温性を失いにくい素材なので、昔から冬季山行のアンダーウェアとして根強いファンも多いですね。
絹(シルク)繊維が細いため肌触りがよく、繊維間に空気を蓄えているので保温性が高い素材です。また、保湿性が高いので静電気が起こりにくいのも特徴です。人間の皮膚の成分と似ているため素肌にも優しいが、繊維が細いので切れやすく、摩擦に弱い素材です。
ナイロン引き裂き強度があり摩耗に強い素材です。吸水性がないので汚れが付きにくく、速乾性があります。通常ナイロンの7倍の強度があるコーデュラナイロンは、ザックの底部など強度が求められる部分に使われたりしています。ただ、耐熱性がなく火や熱には弱いです。
ポリエステルナイロンに次ぐ引き裂き強度があり、耐摩耗性、耐久性に優れた素材です。吸湿性が低いので速乾性があります。様々な他の素材と組み合わせた混紡織物は、アウトドアウェアとして最も多く使われています。汗抜け、耐久性、速乾性など最もバランスの取れた素材です。
ポリプロピレン吸湿性がほとんど無いので熱伝導率が低く、断熱性が高い素材です。以前より冬山用のアンダーウェア素材として使われています。ただ、吸水性はないが脂を吸着させるので、長期山行などで臭いがでるのが欠点でした。近年では、抗菌・防臭加工技術も開発され、逆に新しく見直されている素材です。

胸元は乾いているのに腰のあたりがぐっしょり

山歩きのアンダーウェアに求められる機能

SCC_0862.JPG優れた拡散性があっての速乾性が重要
山歩きでは、前述した低体温症を予防する対策として、アンダーウェアはレインウェアと並ぶ非常に重要なアイテムです。では、山歩きの際、アンダーウェアに求められる機能とは何でしょう。それは速乾性です。単に水分を含まない素材ならばよいという訳ではなく、拡散性と疎水性をバランスよく機能させて速乾させることが必要です。ポリエステルやポリプロピレンといった素材の特性のみならず、その素材への加工や織り方も重要なチェックポイントになります。

皮膚表面の汗(水分)の処理のしくみ

吸湿➔汗(水分)を皮膚表面から素早く吸い上げる
拡散➔吸収した水分を素早く拡散
速乾➔水分を生地本来の疎水性(水分を含まない)により素早く乾かす

アンダーウェアに限らず、山歩き用のウェアは、吸湿性が低い(もしくは無い)化学繊維の生地がほとんどです。極端にいえば釣りのテグスで編まれた生地と考えてみて下さい。水をテグスに垂らすとそれを伝って流れていきます。これがウェアであったならば、肩口や胸元の汗は腰まで流れ落ちていきます。胸元は乾いているのに腰あたりがぐっしょり濡れているのはこういう理由からです。ぐっしょり濡れた状態ではウェアはなかなか乾きません。ここで重要な機能が拡散性です。流れ落ちるままにせず、素早く拡散する生地ほど優れたアンダーウェア生地といっても過言ではありません。

どうして速乾性が必要か

速く乾いても、ゆっくり乾いても奪われる熱量は同じじゃないの?

SCC_0862.JPGただ乾くだけでなく、速く乾かせることが重要
どうして速く乾かせることが必要か?ただ、汗を乾かすだけならば早く乾こうが、ゆっくり乾こうが身体から奪われる熱量は同じです。注意すべき点は、山における外部要因にあります。
濡れている状態は熱伝導が大きくなります。熱伝導が高いということは身体の熱が外へ奪われているということです。山は、低い外気温や風など熱が奪われやすい環境にあります。一番肌に近い部分が長時間湿った状態でいると、どんどん身体の熱が外に運ばれ風などで奪われていくのです。
例えば、雪が降る中、湯たんぽをそのまま置くと降り下りた雪はすぐに溶けますが、毛布を巻くとすぐには溶けません。これは、湯たんぽの熱が外へ伝わりにくくなっているということです。自分の身体を湯たんぽに見立てればわかりやすいと思います。
速乾性は熱伝導を抑えるために最も重要な機能です。結果、身体の放熱を最小限に抑え、体温保持につながるのです。
登山専門メーカーが作るアンダーウェアは、素材の特性のみでなく様々な加工が施されています。例えば、素材の糸に中空の穴をあけたり、糸表面を加工して表面積を増やすことによって拡散機能を高めています。織り方も、肌に接する側を点にすることによって熱伝導を軽減しています。また、同じ素材であってもスリーシーズン用と冬季用では織り方も違います。単に、化繊素材と言っても雲泥の差があることを知っておいて下さい。

レイヤリング(重ね着) ただいま編集中です

レイヤリングは山歩きの服装の基本

SCC_0862.JPGレイヤリングを間違えると機能も半減

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